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12月 19 2015

■ ガソリンは夏場に灯油より高くなる。灯油は冬にガソリンより高くなる。

・不適切な情報が提供されたかどうかは,取引対象商品の価格形成メカニズムを理解することが前提となります。その上で,実際に取引が行われた期間について,わが国や世界中の政治・経済・気象などの出来事が,価格形成メカニズムにどう影響を与えたかを考慮して,不適切な情報提供がなされたかを吟味することになります。

抽象的はいま申し上げたようなことなのですが,また,おいおい具体例をあげて解説していくつもりです。要は,価格形成の基礎となるのは,需給と理論価格だ,くらいにいまのうちは思って下さって結構です。今日は,簡単にわかる需給について話します。

・タイトルの「ガソリンは夏場に灯油より高くなる。灯油は冬にガソリンより高くなる」は,四季のあるわが国での需要期の違いを言い表したものですが,ある意味当たり前ですよね? 初夏の行楽シーズンやお盆の帰省などに車を使う人も増えるでしょうし,暖房用の灯油は暖かければ要りません。

・実際の価格推移で確かめてみましょう。下のグラフは,2003年5月から2004年8月にかけての価格推移(チャート)を示したものです。

20151219-01

・赤丸で囲んだ2003年5月~11月にかけて,冬に納会日を迎える12月限の灯油の方が12月限のガソリンよりも高値で推移しています。逆に黄丸で囲んだ2003年11月~2004年5月にかけて,初夏に納会日を迎える6月限のガソリンの方が,6月限の灯油よりも高値で推移しています。

・では,各時点での期先限月をつないでいったらどうなるでしょう?
それぞれの時点で納会日が来るのが一番遅い限月(期先)の価格をおっていくと,次のグラフのように,3月末と9月半ばに灯油とガソリンの価格が入れ替わったことが分かります。

20151219-02

・そうすると一般的な傾向として,納会日が冬場の限月の場合,ガソリンより灯油の方が高くなる傾向があり,逆に納会日が夏場の限月の場合は,ガソリンが高くなるといえそうです。

・そこで,これから冬を迎えるぞという時期に,あなたが,冬場に納会を迎えるガソリンと灯油を取引するなら,「ガソリン売,灯油買」の組み合わせが合理的だとは思いませんか? だって冬場に向けてガソリンは値下がりする傾向があるなら,高く売って後に安く仕入れることができそうですし,灯油は冬場に向けて値上がりする傾向があるなら,安く買って高く売れそうだから…。でも,実は,リスクの少ないサヤ取りと称して,上の取引例の逆「ガソリン買,灯油売」の組み合わせを勧誘,推奨した業者もいるのです。


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