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3月 02 2017

■ “ロールオーバー”って知っていますか?(オプション取引の判例(裁判:その2の続々編))

前回コラムに引き続いて京都地裁平成11年9月13日判決を取り上げます。その準備として,今日は,ロールオーバーという用語について触れたいと思います。 

・ロールオーバー=乗り換え

先物取引やオプション取引で,保有している建玉(たてぎょく=ポジション)を,いったん決済し,次の限月以降のポジションを作ることをロールオーバーと言います。

当限(とうぎり)の最終取引日である納会日(のうかいび)やSQ(Special Quotation)算出日の前日までに決済しないでいると,保有しているポジションは,現物の受渡やSQによる清算によって消滅してしまいます。ポジションを維持しようとするなら,当限の取引最終日までに次の限月以降の期先のポジションに乗り換えなくてはなりません。このように,投資家側の取引の手仕舞いと新規建玉という行動により,期先ポジションに乗り換えるという意味でロールオーバーという言葉が使われることがあります。

・ロールオーバー=決済期限の繰り延べ

また,外国為替証拠金取引(FX証拠金取引)や株価指数を原資産としたCFD取引において,限月(取引期限)がない代わりに,毎日,自動的に,そのポジションから発生する評価損益や配当・金利などの清算を,クリアリング・ハウス(清算機関)との間で行われて,投資家のポジションが翌日の取引開始時に繰り越されることを指して,ロールオーバーという言葉が使われることがあります。ここでは投資家側の行動という意味合いは薄く,自動的になされるポジションの持ち越し,決済期限の繰り延べという意味合いが強いといえます。

次回は,こうした前提知識を踏まえ,判決についてコメントします。


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