コラム

トップ > コラム

コラム

12月 02 2015

■ 利益相反平成21年最高裁判決とその活用法

・業者が自己取引でしていた差玉向かいに関し,平成21年に2つの最高裁判決が下されています。一つは板寄せ手法に関する7月16日判決で,もう一つはザラ場手法に関する12月18日判決です。これらの最高裁判決を受けて,旧商品取引所法の施行規則103条21号が新設され,差玉向かいをしている事実と利益相反についての通知義務が明文化されました。

・これらの最高裁判決は,一般には,差玉向かいを行っている場合は,業者がそれをしていることと,顧客との間で利益相反関係が生ずる可能性が高いことを説明すべき義務があることを明らかにしたと受け止められているようです。

・でも7月判決をよく読むと,「特定の種類の商品先物取引」とか,「専門的な知識を有しない委託者」とか,実務や被害の実態を正確に捉えて,言葉を選んでいることが分かります。ここには差玉向かいの利益相反に関する説明義務に留まらない価値判断が示されています。

・平成21最高裁判決の引用は省略しますが,この判決によると,「専門的な知識を有しない委託者」は被害者であることを推測させるともいえるでしょう。また,業者から推奨を受けて取り次いでもらう対面取引では,「不適切な情報が提供される危険性」があることを示したともいえるでしょう。

・私たちの提言は,この判決の意義に焦点を当てて,仮に,業者の側があげ足取りをしてきても,それを乗り越えるだけの訴訟活動をしましょう,ということです。この後,用語解説やポイントとなる考え方などを解説していきます。


« »
©2015 Makino Law Office. All rights reserved.