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1月 20th, 2021

1月 20 2021

■ 投資取引にまつわる損害賠償について

・ 当事務所では、投資取引の顧客側代理人として事件処理に携わっています。

・ どのような場合に請求が認められるかは,証拠関係にもよりますが,その取引によって異なります。例えば,投資といっても,実は,投資を装った詐欺の場合,損害賠償が認められても,加害者から賠償を得るのは難しいことがあります。よくあるケースではパソコンの画面では,お金が増えていくような表示がされるものの,ただそのような表示がされているだけで,いざ払い戻そうとすると,お金として払い戻せないパターンです。

・ 商品先物取引は,かつて、私が弁護士となった頃には、典型的には、電話で儲け話を聞かされ、その気になり、ときには借金をしてまでお金をつぎ込まされ,最初の数回は利益を上げるが、その後は、追証請求を受け追加資金を出させられ、今度は追証を回避するためと言われて、売と買の両方のポジションをもつ両建てにさせられ,損失を挽回するためと言われて取引を繰り返すうちに、資金が尽きる、こういった感じの被害事例が横行しておりました。

今では,商品先物取引に関する規制が強化されたため,こうした典型例は少なくなった印象ですが,昔商品先物取引業者に勤めていた人たちが,FX取引やCFD取引といった顧客と相対取引(売る値段,買う値段を業者が決めてその差額を受け払いする取引)を行う会社に流れていきましたので、一部で、顧客から取引名目でお金を奪っていくような業者もいるようです。こうした業者には,証券会社に比べれば,損害賠償が認められ易いといった印象です。

・ 銀行や証券会社はどうでしょうか。為替デリバティブや仕組債といった難しい取引・商品が問題とされた事例があります。株式では頻繁に取引させることで証券マンが手数料を稼ぎ出すという事例もあります。

ただ,投資取引では,基本は自己責任なので,損害賠償請求が認められるには,なかなか難しい印象です。無断で取引されたというのでない限り,顧客の自己責任原則の例外として,顧客の投資判断を歪められたといえることが必要です。法律では,適合性原則に従うことや説明義務を尽くすこと,断定的判断を提供しないことといった義務づけがなされていますので,これらに違反したことが前提となります。要するに,聞いていた話と違うといった要素が必要です。

さらに,断定的判断の提供があると投資判断を歪められたと考えられ易いですが,仕組みやリスクについて課せられている説明義務・情報提供義務の問題を検討する上では,相場判断の間違いそれ自体は,投資取引にはつきものですから,仕組みやリスクについて誤解させたという要素も必要です。

・ 聞いていたことと違う,取引の結果について納得できないという場合,ご相談下さい。労を惜しまず、お付き合いしたいと思います。


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