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10月 24th, 2016

10月 24 2016

■ オプションの損と益の発生の仕方

・一般的な損益図
投資取引を分析するには,そのポジションの損益の限界線が幾らなのか,損益図を描くことが基本になります。

オプション取引について解説した書籍などには,オプションの売り手と買い手の,利益と損失が発生する損益の水準(縦軸)と相場水準(横軸)をグラフ化した「損益図」が必ずといってよいほど掲載されています。

コール・オプション(行使価格で買う権利)と,プット・オプション(行使価格で売る権利)の2種について,これら「権利を対象とした売買取引」として,売り手(義務の引き受け手)と買い手(権利取得者)の2者の立場からみて,次の図のように,4つのパターンに分けるのが一般的です。

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・一方の損は他方の益(ゼロ・サム)
ちなみに,最初にあげた図の4パターンを合成すると,次の図のようになり,オプション取引では,参加者が損益を分かち合っている,すなわち,付加価値を生み出さずに,誰かの損が誰かの利益になることが分かります。

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損益の図の計算内容は次のとおりです。

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このように,売り手と買い手で権利の代金(プレミアムといいます)の受け払いを行うことと,売り手と買い手には,行使日での相場の値上がり,値下がりにより,行使価格を中心に逆の損益が発生しますから,すべてを合わせると,ゼロとなる,ゼロサムの取引なのです。

・ポジションと原資産の値動きとを組み合わせたイメージ図
ところで,オプションの買い手と売り手は権利の売買当事者として,一方は原資産(ここではオプションを行使するときに売買の対象とされるモノというくらいの理解で差し支えありません。)を行使価格で売ったり買ったりする権利を得て,他方は権利行使により,原資産を買ったり売ったりする義務を負う立場ですから,次の図のように整理すると,相場の上下の変動とともに,一方の損が他方の益となることが理解しやすいと思います。

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このように,デリバティブ(金融派生商品)は,一方の損が他方の利益となる性質がありますから,使われ方によっては,本質的に利益相反を孕んでいると考えられます。


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