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2月 24 2017

■ オプション取引の投資戦略(オプション取引の判例(裁判:その2))

京都地裁平成11年9月13日判決(大阪高裁平成12年8月29日判決)

これもまた少し古い裁判例ですが,オプション取引の判例(裁判)のその2として,大阪高裁平成12年8月29日判決で維持された京都地裁平成11年9月13日判決を紹介したいと思います。

・オプションの様々な取引手法

上の裁判でも,書店に並ぶオプション取引の概説書同様,オプション取引における取引手法(建玉の仕方)について,①ストラドルの売り,②ストラドルの買い,③ストラングルの売り,④ストラングルの買いの4つが紹介されています。

①ストラドルの売り

ストラドルの売りとは,同一限月,同一権利行使価格のコールとプットを同枚数売る戦略のことです。

株価が上昇しても下落しても損を被ることになりますが,変化幅が一定の範囲内であれば利益を狙えるということからストラドル(straddle:二股をかける,どっちつかずの態度をとるという意)と呼ばれます。損益図は次のとおりです。

ストラドル売

上記京都地裁平成11年9月13日判決は,「株価の変動が小幅になると予想したときの戦略であり,株価の変動が小幅であれば利益が出るが,逆に株価が大きく変動すると,大きな損失を被ることになる。」とコメントしています。

②ストラドルの買い

ストラドルの買いは,同一限月,同一権利行使価格のコールとプットを同枚数買う戦略です。

株価が,上昇か下落かのいずれかの方向に大きく動くと予想される場合にとるべき戦略で,どちらかに大きく動けば利益となりますが,満期時の株価が権利行使価格からコールとプットのプレミアム合計を加減した価格を上回るか下回るかしなければ,オプションを買う際のプレミアムの分だけ損となります。

ストラドルの買いは,短期的には,ボラティリティーの上昇でプレミアムが上昇することを狙った戦略です。つまり,買ったオプションを売って処分する際にプレミアムが高く貰えれば,差額が手元に残ることを狙った戦略なのです。しかし,アト・ザ・マネーのオプションには,時間価値が大きく含まれていますから,時間の経過による減価もまた大きく,売ってプレミアムの差分だけ手元に残すということも,簡単なことではないと思います。

損益図は次のとおりです。

ストラドル買

 

上記京都地裁平成11年9月13日判決は「上昇するか下落するかは判断がつかないがいずれにせよ株価の変動が大幅になると予想したときの戦略であり,株価の変動が小幅であれば損失が出るが,逆に株価が大きく変動すると,大きな利益が出ることになる。」とコメントしています。

③ストラングルの売り

ストラングルの売りとは,同一限月で権利行使価格の違うアウト・オブ・ザ・マネーのコールとプットを同枚数売る戦略のことをいいます。

損益図は次のとおりとなります。

ストラングル売

株価が,ストラドルの売りと同じく,権利行使価格のレンジ内に収まった場合に,最大利益となります。

先の京都地裁平成11年9月13日判決では,「株価の変動が小幅になると予想したときの戦略であり,株価が二つの権利行使価格の間に入ると利益(プレミアム分)が出るが,逆にこれを超えて株価が大きく変動すると,大きな損失を被ることになる。」とコメントされています。

④ストラングルの買い

ストラングルの買いは,同一限月で,権利行使価格の異なるアウト・オブ・ザ・マネーのコールとプットを同枚数買う戦略のことをいいます。ストラングル(strangle:首を絞めるという意)とは,次の買いの損益図が,ひもで首を絞め付けているようにみえることから,こう呼ばれているそうです。

損益図は次のとおりとなります。

ストラングル買

京都地裁平成11年9月13日判決は,「上昇するか下落するかは判断がつかないがいずれにせよ株価が大幅に変動すると予想したときの戦略であり,株価が二つの権利行使価格の間に入ると損失(プレミアム分)が出るが,逆にこれを超えて株価が大きく変動すると,大きな利益が出ることになる。」とコメントしています。


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